本文で切り替わるフォント
一般向けの小説などではあまり見かけませんが、海外の児童書を翻訳したものなどは、本文中で書体を変えたり、文字の大きさを変えたり等、の演出を見かけます。例えば原書のほうで斜体になっていた部分などは日本版で大きい太文字になっていたりします。
あんまりころころとやりすぎると読んでいて疲れてしまうのですが、その物語の世界に没頭するのに、視覚的に演出してくれるので、わくわくしながら読んだ記憶があります。ページをめくった後に現れた太字にはいつも驚かされていました。あれは新手のドッキリです。
本文中での書体切り替えって、実はすごく漫画的な表現に思えます。漫画だと状況やフキダシの形に合わせて書体がとげとげしたりまるくなったりするのは当たり前です。でもこれでそこまで「疲れる」感覚がないのは、そもそも漫画が視覚的な情報を多く得る媒体であるからかな、と思いました。書体も絵の一部になっているのだと思います。(好きな漫画のマスコットに常に楔形? 三角? のとげとげしたフォントで喋るキャラクターがいるのですが、一コマだけ誤植で他のキャラクターにそのフォントが適用されていたときは違和感を覚えましたね)
小説の中で書体を切り替える(例えば、作中の呪文だとか、張り紙であるとか)のはとても雰囲気が出ます。実際に読んでいてとても楽しいです。ですがやはり、読ませるための書体ではないので、演出のため過剰に頻繁に書体を変えると読みづらくなるのは確かで、加減が難しいのだな……と思います。
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